編成の組み方とMT比

投稿者: | 2015年4月23日

simutransでも比較的ないがしろにされがちなMT比について簡単な説明をば。


現実の鉄道車輌にはモハやサハといった車両形式というものがあります。
simutransでもこれに漏れず、いちおう形式というものが存在しています(動力のあるなしぐらいだけど)。
モハは電動(モーターがある)車、サハは付随(モーターがない)車
クが付くと(くるまを動かすという感じで)制御車となっています。
編成の両端にクがつく車輌がないと、その編成は営業に使用できないといった決まりが色々とあったりします。
鉄道車両をいくつか組み合わせて一つの列車に仕立てることを編成と呼びます。
いわゆるAなんたら編成、●●●●Fみたいなそういう感じの呼び方があったりしますが割愛。


編成の組み方には一定の法則が存在します。
JR西日本の207系を例に取ると、
クモハ+サハ+モハ+クハという感じに編成が組まれています。
電動車と付随車が2両ずつつながっているのが分かると思います。
電動車はクモハとモハ、付随車はサハとクハです。
編成どうしがつながるということもありますし、ましてや単体で走るだなんてこともあります。
電動車と付随車の編成中の比率を等しくしないと、列車の遅延や加減速時の衝動で乗客から苦情が来てしまいますね?
ここで使うのがMT比です。
意味はそのままで電動車と付随車の比率を表します。
この207系の場合はMT比が1:1となり、他に3両編成(クモハ+サハ+クハ)を連結する場合でも衝動が少なくなるように設計されていることが分かると思います。
ちなみに、207系のような電動車が1両ずつの場合は1M車という呼ばれ方をされたりも。
旧型国電にもよくある組み方だったりします(特に4・6両編成
simutransでは非常に優秀で、短い編成から長い編成まで柔軟に組むことができるのでかなり使いやすいです。
現実でも電動車の比率を揃えるためによく使われますが、次に紹介する321系パターンの方が増えつつあります。


では同じくJR西日本の321系を例にしてみると
クモハ+モハ+モハ+モハ+サハ+モハ+クモハとなっています。
「衝動がでかすぎないか?」と気づいた方もいるかもしれません。
そうです。いわゆる電動車の比率が大きすぎるのです。
では先述したMT比を考えてみて下さい。
電動車と付随車の比率、確かに6:1ですが、この形式はちょっと207系とは違う部分があります。
鉄道車両にはボギー台車と呼ばれる、言わば車軸と車輪をセットにした箱を2つくっつけているものがほとんどです。
床下を見たらおそらく、車輪のついている箱があるのが分かると思います。
モーターはその台車に組まれている歯車を回して走ります。
207系ではその2つの台車の両方にモーターをつけていますが、
321系の場合では片方にしか付いていません。
言い換えればMT比が1:1の編成を車輌に置き換えた形となります。
そのため理論上でのMT比は6:1でも、
実際のMT比は
電動車が6両で0.5個モーターが付いている→207系では3両、
付随車が1両で電動車からモーターが抜き取られたのを想定すると→207系では4両
となります。
つまり207系が7両編成を組んだ場合と321系が7両編成を組んだ場合では実際のMT比が同じ、となります。
そして、321系のような台車の片方にだけモーターを載せるタイプを0.5M車と呼ぶときもあります。
よく空転魔王とか呼ばれる時がありますが、simutrans的にはそれほど影響していません。
ただし、坂道が多い路線の場合は出力が低いのも相まって、かなり速度が遅めになってしまいます。


JR西日本の2形式を紹介した後は、気分転換にでもJR東日本の115系で考えてみましょう。
115系には2つのタイプの編成があります。
クモハ+モハ+クハ
クハ+モハ+モハ+クハの2つ。
2編成のMT比は2:1です。
では2編成が連結する場合の組み合わせを見てみましょう。
・クモハ+モハ+クハ+クモハ+モハ+クハ
・クモハ+モハ+クハ+クハ+モハ+モハ+クハ
・クハ+モハ+モハ+クハ+クハ+モハ+モハ+クハ
これでも全てMT比は2:1…ではありません。一番下だけMT比は1:1です。
しかしそれほど影響はありません。
最大の理由が「115系は通勤形ではない」からです。
先述した207系や321系では実際のドアの数は4つ、
115系は3つとなっています。
さらに、115系が主に走行するのは高崎線や上越線、信越線といった比較的駅どうしの距離が長い路線です。
つまりMT比はあまり影響していません。
逆にダイヤの面でその編成が組まれた115系で遅延の発生がないようなものが組まれています。
で、その編成のMT比が3:1だったりした場合に、車輌の故障で1:1の編成を走らせてしまうから遅延が起こる場合もある、というケースが割とあったりします。
simutrans上での再現として、「長距離を走る列車ならMT比はそんなに気にしないよね」的な考え方もアリです。
通勤向けに製作するなら、出力を大きめに取って余裕を持っておくといいかもしれません。
JR西日本の場合は113系の7両編成で
クハ+モハ+モハ+サハ+モハ+モハ+クハという編成を組んだりもしてました。
また、115系のようなモハが2両くっついているのをユニット車と呼ぶときもあります。拙作アドオンに多い編成の組み方だったりもします。
207系の一部編成にはユニット車が組まれているものもあり、編成の組み方が1つの形式の中で統一されていないのもあります。


最後に旧型車特有の編成の組み方を少しだけ。
クモハ+サハ+モハ+クハ
クモハ+クハ
クハユニ+モハ+クモハ
旧型国電には今で言う1M車というのがほとんどで、むしろそれ以外は全く見かけません。
今では見られない独特な編成の組み方も多いので、あえてこの代表例だけ紹介。
クハユニが組まれている編成、MT比が2:1という旧型国電にはそれほど少ないケースですが、
実はこれも意図があったりします。
クハユニは郵便・荷物・客室がセットになった車輌で、今現役の車輌には存在しない形式です。
荷物・郵便ということはつまり客以外も載せ、さらに客を乗せるという今では見られないような車輌の使い方となっています。
また、旧型国電は今の車輌のモーターには到底かなわない程度の出力しかなかったので、
電動車の割合を多くせざるを得ません。
坂が多い路線であればなおさらで、出力を全開にしていても速度が下がるなんて事もあります。
そのためモーター車の割合を多くし、荷物や郵便も運べるように出力の確保をしているのです。


simutransでは軽く見られがちな編成とMT比ですが、実際の例を参考にしてみるとかなり合理的に考えられているのが分かると思います。
製作の際の参考にでもぜひどうぞ。

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